本年11月17日付琉球新報社の社説に関する会長談話

投稿日時 【 2017年 11月 22日 】 | カテゴリ: その他一覧

本年11月17日付琉球新報社の社説に関する会長談話

 

 当時軍属だった被告人が殺人、強姦致死、死体遺棄等の罪名で起訴されている事件で、本年11月16日に那覇地方裁判所で第1回公判が開かれた。同事件の審理は裁判員裁判によって行われ、同月24日に結審、12月1日に判決が予定されている。被告人及び弁護人は、第1回公判期日において、強姦致死及び死体遺棄については認め、殺人については争う方針を表明した。
 第1回公判の翌日である11月17日、琉球新報社は、「米軍属女性殺人初公判」と題する社説を掲載した。その内容は、被告人が法廷で黙秘権を行使したことについて「被告の権利とはいえ、黙秘権行使は許し難い」「被告の順法精神と人権意識の欠如の延長線上に、黙秘権の行使があるのではないか」などと厳しく批判した上で、裁判所あるいは裁判員に対し、「裁判員は被告の殺意の有無を的確に判断してほしい」「遺族が納得する判決を期待したい」と投げかけるものであった。
 上記事件は誠に痛ましい事件であり、被害者関係者のみならず一般市民が厳しい感情を持つことはむしろ当然である。
 しかしながら、新聞社が社の意見として、第1審係属中の段階で、被告人が憲法及び刑事訴訟法上認められた正当な権利である黙秘権を行使したこと自体を上記のように厳しく論難し、そればかりか、証拠関係に基づかずに、裁判所・裁判員に対して一定の方向性をもった判決を期待する旨表明することは、刑事被告人の黙秘権及び公平な裁判を受ける権利を軽視し、また、これから評議・判決に臨む裁判員に対して影響を及ぼすことも懸念されるところである。
 よって、当会は、琉球新報社に対し、上記社説の内容について再検討するなど、適切な措置を講じることを求めるものである。

 

2017年(平成29年)11月22日
沖縄弁護士会       
会 長  照 屋 兼 一
 






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