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那覇でもハーグ条約審理を
投稿日時:【 2013年 07月 01日 】    

那覇でもハーグ条約審理を

Q.国際結婚をして外国で暮らしていたのですが、夫のDV(家庭内暴力)に耐えかね、子どもを連れて沖縄に帰ってきました。夫は子どもを取り返そうとしているようです。この後、どうなるのでしょう。


A .このようなケースに関する国際条約として「国際的な子の奪取の民事上の側面に関する条約」があります。この条約は「ハーグ条約」とも呼ばれ、もともといた国にひとまず子どもを戻すことを目的としています。わが国でも、この条約が批准(承認)される見込みで、これに合わせた国内法の整備作業が始まっています。


 ところで、さまざまなケースの中には、子どもを元の国に戻すことが不適切な場合もあります。例えば、ご質問のようなDVや、児童虐待がある場合には、子どもを元の国に戻すべきかどうか、裁判所で審理されます。しかしながら、現在の法案では日本の裁判所での管轄が東京と大阪だけに限られており、沖縄県内の裁判所では扱うことができません。ご質問のようなケースは大阪の裁判所で扱われることになり、当事者にとって大きな負担です。


 統計によれば、沖縄は妻が日本人である国際結婚率が全国一高くなっています。これは沖縄に米軍基地が集中していることと無関係ではないでしょう。沖縄弁護士会では、このような不公平な法案見直しを関係各所に申し入れるとともに、利用者の皆さまのご希望に沿えるような対応態勢づくりに努めています。  

沖縄弁護士会
会員 鎌田 晋
 
※琉球新報2013年2月20日『ひと・暮らし』面に掲載したものを一部修正しています。

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